男声合唱プロジェクトYARO会

第1回
合同練習開催


2005年10月26日)  

 


 いよいよYARO会のコンサートへ向けた活動がスタートしました。
 秋も深まりはじめた10月16日の日曜日、行楽シーズンにもかかわらず、YARO会の連中が彩の国さいたま芸術劇場大練習室に三々五々集まりました。まずは指揮者の大岩篤郎先生の挨拶からスタート。今回なぜ清水脩の「月光とピエロ」を採り上げたか、大岩先生の曲に込める思いが話されました。

 1回目のジョイントコンサートを聴いて、YARO会が単なる5団体の寄せ集めではなく、あたかも一つの合唱団のようによく溶け合ったアンサンブルを醸し出していたことがたいへん印象に残っている。今回そのYARO会とともに月光とピエロを演奏する機会に恵まれ、大いに期待しているし、一緒に挑戦してみたいと思っている。
月光とピエロ」は男声合唱の定番といわれるほど歌われてきたが、たいへんよくできた曲であり、自分なりの解釈で演奏してみたい。これまで何度も歌われて型に嵌まってしまい、結果として「いつものピエロを聴かされてきたという印象だが、今回はもっとちがった一人一人の内面に持っているはずの裸身のピエロ性を表現したい。大岩先生は、このようにひと味ちがう「月光とピエロ」を演奏したいとかなり意欲的です。果たしてYARO会がどこまでそれを実現できるか大いに楽しみです。

 さらに、大岩先生は、合唱とは何か、どんなことに気をつけて取り組むべきかなどについても自論を紹介されました。

 合唱は、薪を束ねた『束木(たばぎ)のようなもの。薪には、太いものもあれば細いものもある、丸いものもあれば角張ったものもある。それをしっかりと束ねるためには、隙間ができないように詰めねばならない。合唱もこの束木と同じである。パートの中で芯になる声の人、その柱の間を縫うように滑らかにさせるような声の人など、それぞれ人により役割分担がある。これらの色々な声が、正しく歌われた上で、しっかりと隙間のないように集まって大きな力となることが必要である。

 パートのバランスとしては、トップテナーが半分欠席しており、低声部が多めとなっていました。やはり男声合唱は土台が肝心であり、その意味では文句ないが、実際のステージのバランスとはちがうし、出席していないメンバーがパートの色を変えずに溶け込めるかどうかが気懸かりです。
 今回は、とりあえず「月光とピエロ」全曲を通し、全体を俯瞰するような練習となりましたが、次回は前半にパート練習によるパート内の音色の統一、細部の手直しなどのあと、全体の合せを予定しています。内緒ですが、アンコール曲ももちろん練習しました。曲想のかなりちがう2曲の組み合わせですが、それなりにYARO会に合った曲です。